海の資源保護と過去の痛恨事

もう50年近く前のこと。当時小学生だった私は父親と週末ごとに電車釣行を楽しんでいました。

この時代、今は廃れ気味の投げ釣りが全盛期で、私たちにも最も身近な釣りでした。

当時よく出かけていた、明石漁港の赤灯台波止。

先端は漁船の往来が激しく、船が通るたびに仕掛けを急いで回収しなければならず、「道糸沈め」の存在を知り、試してみましたがなんだかしっくりこず、「急いで回収」を一種のゲームのように続けていたのも良い思い出です。

ご存知の方もおられるかと思いますが、この明石漁港周辺は根が非常に荒く、投げ釣りでは根掛かりに注意を払わなければならない反面、その根まわりで日中にガシラ(カサゴ)がコンスタントに釣れました。

さすがに昼間、25cmを超えるような大型の姿を見ることはありません。サイズは15〜20cmが中心でした。

そして、このサイズの数釣りが、後の痛恨事となるとはその時、夢にも思っていませんでした。時代は昭和。自身はまだまだ無邪気な小学生。父親も戦前生まれの典型的な昭和親父で、海の資源になんて無頓着。釣れたガシラは、ぜ〜んぶクーラーボックスにイン。良い日など、30〜40尾は持ち帰っていたのでは?魚が釣れることが楽しくて仕方のない頃でした。

しかし、5年もしないうちに、ガシラがぱったり釣れなくなりました。その時は、「釣れないね〜」くらいにしか思わず、キューセンベラやらなにやらと釣れる魚を釣って楽しんでいました。それ以降も、ガシラは復活することなく、そうこうするうちに高校生となり、他のことに忙しく、釣りからしばらく離れました(釣り再開は大学卒業後の社会人1年目)。

生成AI Gemini に希望を伝えてできたガシラのイラスト。こんなことができる世界って、いいのか、どうなのか???

明石のガシラ。いま思えば、1度も産卵をしていない個体を釣りすぎたのでは?

もちろん、私たちだけでなく、ほかにも多くの方が、数多くのガシラをキープ&イートしたことでしょう。産卵経験のない15cm前後の魚を。。。

これが本当にそうなのかどうかはもちろんわかりません。しかし、現在では幼魚や若魚の乱獲は資源の枯渇の一大原因であると言われています。釣りぐらいで、明石全域のガシラが枯渇するとは到底思えませんが、釣り場の限られたエリアからは間違いなくガシラが姿を消しました。

シラは一般的に、全長15〜20cm以上が産卵可能な成熟サイズとのこと。メス1匹が1シーズンに1〜5万尾程度の稚魚を3〜4回に分けて産む(卵胎生)らしく、未成熟なガシラを獲って食うということは、大袈裟に言えば最大5万尾の未来のガシラ資源を奪ったことになります。まったく、なんということでしょう。あの爆釣時代に20cm以下をリリースしていたなら。釣れた全数を持ち帰るのではなく、2人で10尾以内とか、決めていたなら。そうしてリリースした魚が成熟し、産卵していたなら、明石のガシラをずっと楽しめていたのかもしれません。

近年、明石周辺に釣りに出向くことはほとんどなくなりましたので、近況がどうなっているのかはわかりません。

海の資源保護の意識が高まっている時代ですから、もしかしたら明石のガシラが復活しているのかもしれません。そうであれば嬉しいのですが、自身の約半世紀前のおこないはまったく恥ずべきことであり、反省すべきこととして忘れたことはありません。

たとえば現在、クロマグロが資源保護のために厳しく釣獲制限されていますが、魚種に関わらず、自身が狙っている魚のことを知り、その魚や釣っているエリアの未来のことを想像するのが大切なのだというスタンスでこれからも魚釣りを楽しんでいこうと思っています。釣りには一生涯親しみたいですから。

あと、ちなみに大阪湾でも法的ルールではなく努力目標でしょうが、一定の釣獲(漁獲)制限が定められています。以下、参考まで。

・マコガレイ(全長15cm以下)
・メイタガレイ(全長13cm以下)
・ヒラメ(全長28cm以下)
・マダイ(全長13cm以下)
・キジハタ(全長28cm以下)
・オニオコゼ(全長20cm以下)
・ガザミ(甲幅長13cm以下)
・クルマエビ(全長13cm以下)
・シャコエビ(全長10cm以下)
・アナゴ(全長28cm以下)   

(以上出典:大阪府「小さな魚は海へ返しましょう」

今回は、そんなところで。

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