釣り場であいさつのススメ _ 特に初心者の方へ

「おはようございます」 「どうですか? アタリあります?」 「隣で釣らせてもらっていいですか?」

たった二言、三言、言葉を交わすだけで、先にポイントに入っていた人にとっても、あとからポイントに入ってきた人にとっても、その日の釣りがすこぶる気持ちいいものになることが多々あります(経験から)。それに釣り人同士ですから、さらに会話を重ねることがあればその内容は、最近の釣況やポイントの癖とか、場合によってはシークレットな餌(ルアー)など、他ではなかなか手に入らない有益な情報をいただけることもあります。

JOFI大阪の一員として大阪南港魚釣り園護岸を巡回していると、小さなお子さま連れの若いファミリーで「釣りをしてみたくて今日、初めて来ました!」という方々と話す機会が意外に多くあります。釣りの下調べはされているのでしょうが、現場で道具を扱うとなるとなかなか思うようにいかず、ちょっとしたことで手こずっておられる場合がほとんどです。そんなとき、竿の握り方からリールの仕組み、基本的な糸のさばき方やトラブル予防のための注意点。さらに、タナ(魚の泳層)を含めた魚の釣り方のコツなどを自分なりにお伝えするのですが同時に、

「上手そうな人や魚を釣り上げている人を見たら、あいさつをして仲良くなるのが一番のコツですよ」

とお話ししています。

もちろんそうでない人もいるのですが、釣り人とはベテランになる程だいたいの場合、(ここ大切)「自分の釣りを邪魔しない」初心者にやさしく、かつ「教え好き」が多いもの。まごまごしている釣り人を見ればどうにも放っておけない釣り歴うん十年のJOFI大阪の面々を見れば、てきめんです!

「自分の釣りを邪魔しない」← ここが大きなポイントであり、邪魔を回避する術が「あいさつ」なのだと思います。自分の目の前に仕掛けを投入されてお祭り(仕掛け同士が絡むこと)などの実害がなくても、黙ってあとから比較的近い距離に入ってきた人間を「邪魔者」と感じる釣り人はたくさんいます(私もそうですし、うなずかれる方も多いのでは?)。けれど「隣、いいですか?」と訊かれれば、よほど近い距離でないかぎり「いいですよ」と応える釣り人が大多数なのも確かです(もし断られたなら、広大なスペースを無駄に占有するなどの例外を除けば、先行者優先のルールに従い、引き下がるのもマナーです)。

たったひと言のあいさつで、なんとなくの仲間意識が生まれ、「釣りの邪魔しない」人になれます。たったひと言のあいさつをきっかけに、たくさんのことを教えてもらえることがあります。先述のとおりベテラン = やさしくて教え好き、ですから(教え魔が過ぎる人に当たると多少、鬱陶しく感じることもあるかもしれませんが、そこは我慢で、なんとか…)。

大阪南港魚釣り園護岸の風景(2025年8月24日撮影)
お隣の家族に釣ったマチヌを〆て進呈するベテランふかせ釣り師さん(黒)

実際に大阪南港魚釣り園護岸で、ベテランサビキ釣り師のおじいちゃんが隣のファミリーの面倒を事細かに見ておられるところに出くわしたことが何度かありました。まさに、世代を超えた釣技の伝承。ファミリーの方々、特にお子さんは、魚がコンスタントに釣れることで大興奮の大はしゃぎ。親御さんも、その様子を見て、笑顔、笑顔。そんな楽しいひと時があってこそ、「また来たい!」「また行こう!」になるのでしょう。

あいさつってほんと、大事だと思うのです。

今回は、そんなところで。

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