釣り場の心霊は幻想? 不可思議な話

2025年の夏。例年どおりの酷暑です。兵庫県丹波市では7/30(水)に最高気温41.2℃を記録。国内歴代最高記録を0.1℃更新したそうです。そんな夏といえば怪談話、心霊話(最近ではそうでもないのでしょうか?)ということで、釣り場で体験したちょっと不可思議な体験を2つほど。

たとえば大阪湾の人気ポイント、貝塚人工島の通称:沖向きテトラで冬の夜にメバル狙いでロッドを振っていると、消波ブロック内に吹き込む北西の季節風と、波の音が重なり、まるで誰かが話しかけているように聞こえることが多々あります。

あたりが暗く、消波ブロック内からそんな音がすると結構ビビっていたものですが、これは心霊とかの類ではありません。心霊現象というもののほとんどは、ちょっとした不気味な音や光などで想像力が刺激され、「怖い」「怖い」の思い込みが過剰に膨らんだ結果なのだと個人的には思っています。けれど過去に2つ、「これは?」と思うものがありましたので以下に。

1つ目は泉佐野を流れる佐野川での秋の1件。

夕暮れ前のまだ明るい時間帯での出来事でした(15年近く前のお話)。その日の狙いは秋の風物詩メッキ。メッキ釣りは大好きな釣りのひとつで、和歌山県内のような大釣りはできないものの佐野川はちょっと遊ぶには釣り場までの距離も、釣り場の規模も手軽です。その時の状況はこんな感じ。

ルアーをキャストした逆方向を何の気なしに見ると、斜め下方向、自分からの距離にして5mあたりに白いTシャツの少年(小学生くらい)が水際の消波ブロックに立ち、水面を覗き込んでいました。(あの子、落ちやしないかな)と思いつつ、キャスト方向に視線を戻し、もう一度、少年の安全を確認するためにそちらに目を向けると、誰もいません。でも、そりゃあそうなんです、キャストする直前まで消波ブロックに乗っていたのは見渡すかぎり私だけだったのですから。(ん〜ん、結構はっきりと少年を見たんだけどなぁ)と思いつつ、夕暮れまで釣りを続けました(が、その後は何もありませんでした)。

2件目は、場所は違えどこちらも消波ブロックがらみ。

この日は釣りはじめが遅く、アジングで20数匹のアジをキャッチしたころには日付が変わっていました。(これから帰宅して魚を処理するのは面倒くさいなあ)と思い、ここ(釣り場)で内臓処理をして帰ることに。

釣り場にはもう誰もいません。消波ブロックのいちばん下、水際まで降りてせっせと作業していると2〜3段上の消波ブロックから不意に視線を感じました。

顔を向けると50過ぎくらいのおじさんがこちらを見ています。

「あ、こんばんわ」と言いかけて、すぐに視線を逸らしました。

近くに常夜灯があり、ほんのり明るいので表情もはっきりと見えましたが、えっ、だって、おじさん、首から上だけなんだもの。。。消波ブロックの上に頭だけがちょこんと乗っかって、軽い笑みを浮かべながらこちらを見ていたんだもの。。。(バッチリ目も合いました)。(ええっ!)と思い、すぐそちらをもう一度見ましたがおじさんは(おじさんの頭)はもういませんでした。頭の中には?が無数に浮かびましたが、とりあえずすべての魚の内蔵処理を終えて帰途に着きました。

1件目は軽い幻影みたいなものですが、2件目は自身の経験の中ではなかなかヘビーなものでした。だって、おじさんの顔、今でも覚えていますから。ただ、この2件に共通するのは、不思議と恐怖感を感じなかったことです。怪談話を聞いたり、心霊現象的な体験をすると少なからずゾッとする恐怖感をおぼえるものですが、それがまったくありませんでした。2件目の出来事なんて、深夜にそのまま魚の処理を続けたくらいですから。

なんとなく不気味な体験は他にもしたことがありますが、この2件だけはまったく感覚が違っており、もしかしたら恐怖感という想像の産物ではなく、本物だったのではと今も思っています。

つまり、本物の心霊があるとするならばそれは恐怖をともなわず、自身の身にもおそらく大した害はない。

一方、ゾッとする体験は、恐怖感がもたらす自身の創造の産物なのではないかと。

霊感はまったくありませんが、根っからの怖がりな私は、「だから怖くない!」と自分に言い聞かせて、せっせと夜釣りに出かけているわけです。

今回は、そんなところで。

コメント