和歌山県の田辺エリア以南の釣り場でオオモンハタの魚影が急速に濃くなり、ガシラの顔がほとんど見られなくなったと、田辺市在住で釣りの先輩に教えていただいた。

年に1度、釣り仲間内でゆるい釣り大会を催す機会があり、その会場に和歌山県田辺の「鳥の巣筏」が選ばれることが多い。ここは地続きの歩いて渡れる筏。牡蠣の養殖筏に釣り座が設けられたもので、入場料2,500円/日でのんびりと釣りができます。今年は12月6日(土) 6:00に集合。
釣り座は最も沖側の1番。水深は足元で15mほど。当日の取らぬ狸の皮算用は、まずサビキで小アジを釣り → それをエサに呑ませ釣りででっかいヒラメのほか、青物のナブラでもあればペンシルのトップ!と意気込みますが実際のところ、点在するシモリまわりでガシラをゲットしてお土産に、が、現実的。
小アジ釣りから呑ませ釣りのセッティングまでは順調でしたが、待てど暮らせどヒラメの気配は無。さらに青物はもちろん、スズキもいなさそうな平和な海(まあ、そんなもんかと…)。ぼーっとしていてもヒマなので、一応ヒラメを念頭に、シモリまわりの砂地を(なんかこないかなぁ)とワームを引いているとすぐに「ゴンッ」! で、あがってきたのが25cmほどのオオモンハタ。お土産のガシラをと思い、シモリまわりをさらにタイトに狙うと「オオモン連発」。オオモンハタ4尾で、ガシラはゼロ。
5年ほど前に同じポイントで、時期は1ヵ月ほど早かったのですが、ガシラがコンスタントに釣れたのに、オオモンハタに入れ替わっている感じ。冒頭の「ガシラの顔がほとんど見られなくなった」を実感した次第です(もしかして、ガシラが一斉に産卵に入ったのかもしれませんが)。
翌日、田辺の小規模な漁港で午前中(満潮からの下潮)、ジグヘッド(10g)+シャッドテールワームでオオモンハタ狙いをしてみると、20cm〜25cm程度とサイズは小粒ですがアタリは多く、10尾以上キャッチ。フッキング直後のツッコミには、サイズからは想像できない暴力的な強さがあり、個人的にはかなり楽しいターゲットです。遊泳力もかなり高いようで、ワームをボトムから結構浮かせてスイミングさせても突き上げて喰ってくるようで、釣れ方が高活性時のブラックバスみたいでした。

これもまた水温(上昇)の関係でしょうか? オオモンハタが生息域を急速に拡大しているのは間違いないようです。で、そのとばっちりを受けたのがガシラ? いや、ガシラはオオモンハタと共存し、今も居るけれど、旺盛な食欲と遊泳力が仇になってオオモンハタが先に釣れているだけなのか? はたまたガシラは生息域を、たとえばより深場に移したのか? それとも稚魚がオオモンハタに喰われ、駆逐されてしまったのか? 実際のところは、釣りだけではわかりません。ガシラが釣れず、オオモンハタは連発するという事実だけです。
釣ったオオモンハタのうち、25cm前後のものを持ち帰って食べましたがこれが、やはりというかなんというか、相当美味。煮付けも美味しかったけれど、3枚におろして身をフライにしたものが個人的には絶品でした。

釣味と食味を高次元で備えているオオモンハタ。これはちょっとほおってはおけません。来年の初夏、ハタ系のハイシーズンにとりあえず40cmオーバーを目標にあらためて狙いに行ってみようかなと思います。田辺をはじめ、いろいろとポイント情報を仕入れながら、下準備をしながら。
そして、ガシラのゆくえも気に留めながら。
今回は、そんなところで。


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